貞子vs伽椰子をホラー映画初体験の百合オタクが見た
先日、こんな記事を見ました。
(この記事はネタバレ配慮はされていますが割と見た後の方向けです)
「貞子vs伽椰子」、百合映画となったら見ないわけにはいかないなと。
しかし、私はホラーというジャンルにほとんど触れたことがありません。
「リング」も「呪怨」も見たことないです。貞子の名前は知ってましたが伽椰子は知りませんでした。
ただし、怖いの絶対無理!というわけではなく、あんまり怖いもの見たさとかがないからなんとなく見てなかったタイプです。ホラー無理な人がここを見てやっぱり無理ってなっても責任とれないです。
まあともかく、戦々恐々としながら見て参りました。
見た結果。
・面白い?
→面白いです!
プロモーションはけっこうふざけた事してたり、コミカルなところもあるのかなと思ってました。
本編はしっかり怖いです。
人がバンバン死にます。
それでいてタイトル通りバトルもの的な楽しみ方もできます。
でも話はしっかりホラーです。
・百合要素ある?
→バリバリにあります!
ここを語るとがっつりネタバレになるのですが、呪いを受けるという極限状態に陥った女たちが感情を向け合います。私は大好物でした。
明るい話以外は苦手という方は辛いでしょう(そりゃそうだ)。
もちろん、とにかく百合要素があれば見たい!という方にはオススメです。
・貞子と伽椰子の百合?
→想像力を働かせろ!
最初は「これ百合か?」と思いました。
考えれば考えるほど「これ百合じゃね…」となっていきます。
以下、ネタバレしてます。
百合語りです。
・有里と夏美
初登場の大学の講義のシーンでもたれかかって寝てます。
「はい百合!こいつら付き合ってます!ドーン!」みたいなのをいきなり出してきて我々の心をがっちり掴んできます。
その後なんやかんやで貞子の呪いに巻き込まれていきます。
この二人のポイントは「お互い思い合っているけど、すれ違っている」ところです。
有里は法柳先生たちが呪い殺されてもなお、自らビデオを見て夏美の呪いを取り除こうとします。夏美のためなら命を張れるのです。
一方の夏美は呪いで死ぬくらいならと有里と心中を企て、拒否されると見られながら死ぬことを望みます。*1
そう、お互いそれだけの強い思いがあるのに、起こす行動の方向は真逆です。有里は常に前向きで助かる道を探しているけど、夏美の思いは恐怖と合わさってネガティブな方向に発露しているのです。
このすれ違い、やりきれなさがこのカップルの魅力です。
経蔵が登場してから自宅待機中のシーンは全部百合なんですが、個人的に一番好きなのは夏美の両親の結婚式の映像を見るところ。「今の夏美もかわいい」と言う有里を見て、元気づける意図もあるだろうけど実際夏美の見た目も好きなんだろうなあと思いました。
・有里と鈴花
JD×JKというだけでたまりません。
二人が会うのは後半になってからですが、少ないシーンでも良質な百合でした。
経蔵の作戦で貞子と伽椰子を対決させることになります。実行直前に鈴花は怖がります。自ら2つの呪いに飛び込むのだから当然です。
有里はそんな鈴花に寄り添います。極大の恐怖に支配されつつある二人が求め合うのは摂理です。ビジュアル的にも最大級に美しいシーンです。
…有里、お前ちょっと前に夏美が呪い殺されたばかりやろ。
・貞子と伽椰子
問題の二人。
最後には合体します。暗喩とかじゃなくて文字通りの意味で。
この二人を語る上で重要なのは、この二人は人間を大きく超える力を持っているということです。そこらの霊能者なんて寄せ付けません。あんなに有能そうな経蔵も本気のこの二人には敵わないのです。
それを考えると、貞子と伽椰子はお互いにとって、初めて会った自分と同等の相手ということになります。
この現世において孤独を癒せるのは、貞子には伽椰子、伽椰子には貞子だけ。*2あれ、そう思うとめちゃめちゃ百合じゃん。
上の記事でも言われているし、この二人は出会ったその場で分かり合っていると解釈していいでしょう。付き合いが長そうな割に極限状態ですれ違った有里と夏美と対照的です。
人間同士では分かり合えないのにこの二人が分かり合っているのは、何というか、「やっぱり力じゃん!」*3って感じです。
割と今の心境としてこの二人に対しては、「出会えて良かったね…」 と思ってます。怖いけど。夏美がネットに呪いのビデオをバラ撒いたので、これから二人で仲良く人を呪っていくのでしょう。末永くお幸せに!