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百合好きが百合や百合以外の話をする

「百合作品」が表すもの

百合を語る上で起きる争い

私は百合が好きです。この「百合」は花の名前ではなくジャンルを指す言葉としての「百合」です。百合が好きなので百合に関して言及された文章をよく読むのですが、どうも言い争いが絶えない印象があります。

その中でも、ある作品をめぐって「これは百合作品だ」「いや違う」と争っていることがよくあります。その争いには「百合作品」といったときに想定しているものが違うゆえに起こるのではないかと思えるものがしばしばありそうだと考えています。

 

「百合作品」というワードの解釈

単に「百合作品」といった場合の解釈のパターンとして、例えば

  1. 「(作中に何らかの)百合(要素がある)作品」
  2. 「(作品のテーマに)百合(が含まれている)作品」
  3. 「(作中のメインの人間関係が)百合(だけで構成されている)作品」

といったものが考えられます。

「あの娘にキスと白百合を」や「ヴァルキリードライヴマーメイド」は1. 2. 3. 全部を満たすでしょう。「キャロル」などは1. 2. は満たしますが3. は満たさないと思われます。ちょっと解釈は分かれると思いますが、「ひだまりスケッチ」とかは1. と3. は満たすけど2. は満たさない例といえると思います。「プリパラ」や「BLEACH」は1. のみ満たすといって良いでしょう。

2. や3. が満たされれば1. も満たされることになるので、1. の解釈をとれば広い「百合作品」のとり方になります。

2. を満たすなら誰がどう考えても「百合作品」と言ってもいい気はしますが、男女恋愛を見たくないゆえに「百合作品」を求める人だった場合はその人に2. を満たすものの男女恋愛描写バリバリの作品を勧めるとがっかりすることになります。

個人的には「キャロル」を百合作品として認めないって言われたら正直「は~~~~~?????」ってなると思いますが。*1

また上の区分で同じ立場をとるにしても見解は必ずしも一致しません。例えば「BLEACH」と「響け!ユーフォニアム」はどちらも1. のみ満たしますが同じレベルで語れるか、と考えるとそれも(個人的には)違和感があります。ここは描写の濃さのような観点で考える必要が出てきます。相当ややこしいことになってきました。

以上を考えて私が出した結論は、「百合作品」という言葉への統一的見解を見つけるのは難しいということです。何も解決はしていませんが、百合作品について議論したり人に勧めるときには相手がどういう定義付けをしているかを考えれば無用な争いを避けられるかもしれないという知見のもとにはなったのではないでしょうか。

 

また、この記事では触れていませんが「百合」というワード自体もまた解釈が分かれるところで、こちらも争いの種になりがちな点ですので、また別の機会に言及できればと思います。 

最終的に

この記事で何が言いたかったかというと、当ブログで「百合作品」として紹介する作品があなたの「百合作品」の基準に合わなかったとしても怒らないでくださいということです。

*1:ただし過去にヘテロ展開を食らった辛さから男が出てくる百合作品を恐れて女だけの百合を求める、というのはわかります。ここで問題なのは百合作品という言葉への見解の話です